世界大百科事典(旧版)内のタルコフスキー,A.の言及
【SF映画】より
…もう一つの50年代のSFの映画的記憶の再現として,3D(立体)映画の復活という現象があり,さらに特撮の発達(圧搾空気を用いた変身シーン)を媒介にして,《アルタード・ステーツ》(1980)や《遊星からの物体X》(1982)などのような,SF映画から怪奇映画への逆流現象も見られる。《2001年宇宙の旅》の観念的哲学的な要素は,アメリカよりもむしろ,ソ連のアンドレイ・タルコフスキー監督(1932‐86)の《惑星ソラリス》(1972。スタニスワフ・レム原作)や,《ストーカー》(1979)に継承されているというべきかも知れない。…
【ソビエト映画】より
…文芸映画の隆盛も顕著な傾向で,ボンダルチュクS.G.Bondarchuk(1920‐94)監督の四部作《戦争と平和》(1966‐67),ザルヒA.G.Zarkhi(1908‐ )監督《アンナ・カレーニナ》(1968),プイリエフ監督《カラマーゾフの兄弟》(1969),そのほかロシア文学の古典的名作が映画化され,コージンツェフG.M.Kozintsev(1905‐73)監督《ハムレット》(1964),《リア王》(1972)などシェークスピアの古典を〈忠実に〉映画化した作品もある。 帝政や革命を経験した戦前の作家とは世代の異なる新しい監督も登場し,国立映画学校出身のタルコフスキーA.Tarkovskii(1932‐86)監督の処女作《僕の村は戦場だった》(1962)はベネチア映画祭で金獅子賞を受賞し,15世紀ロシアの修道士をリアルに描いた第2作《アンドレイ・ルブリョフ》(1966)は71年まで公開を禁止されたが,第3作《惑星ソラリス》(1972)はカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した。戦前派の監督も新しい作品を発表し,ロンムは《一年の九日》(1962)で,ユトケビチは《ポーランドのレーニン》(1966)で健在ぶりを示した。…
【ルブリョフ】より
…代表作にトレチヤコフ美術館の《トロイツァ(至聖三者=聖三位一体)》(15世紀初頭)がある。1967年ソ連の映画監督タルコフスキーAndrei Tarkovskii(1932‐86)により,その生涯が映画化されている。【高橋 栄一】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」