世界大百科事典(旧版)内のターナー,V.の言及
【儀礼】より
…ここには構造主義,シンボリズム理論からの強い方法論的影響があった。 ターナーVictor Turnerは,彼の調査したあるアフリカ社会では,たとえば儀礼の中に用いられる白・赤・黒の3色が,それぞれに精液・血・排泄物と関係し,生命・力・死を表現していることを明らかにするとともに,さらにそれら3色が単に一つずつの意味を持つのではなく,赤・白,白・黒といった対比において,それぞれの色は多義的な意味合いを持つことを論証した。リーチEdmund Leachも力点の違いこそあれ同様に,個々の社会によって色の分類とその意味体系は異なり,ある色の示す意味はそれと対比されている色との関係で,またその色の用いられる文脈との関係で決まることを主張した。…
【通過儀礼】より
…またグラックマンM.Gluckmanは通過儀礼を個人の身分が変化するにあたって,その社会関係が不安定化するのを避けようとする機能をもつものと考えた。ターナーV.Turnerの,変動期の集団に見られる無構造・無体制的状況としての〈コミュニタスcommunitas〉論は,ファン・ヘネップの通過儀礼における〈過渡〉の概念を発展させ,その無限定的属性から象徴論的に儀礼の本質に迫ろうとしたものである。また宗教学的立場からM.エリアーデは,通過儀礼を自然的存在として生まれた人間が,特定の文化のなかで,多くの儀礼を通過することによって,その文化における宗教的人間の理想に近づくプロセスとみなした。…
【文化】より
…彼はこのように文化内の論理的一貫性を示すとともに,文化内の統合を強調しすぎることは危険であり,文化内の矛盾や不統一はそれぞれがかってに動き出すタコの足を思わせると述べている。 エスノサイエンスやギアツとは違う角度から象徴性の意味を研究する人たちにターナーV.Turner,ニーダムR.Needham,スペルベルがいる。ターナーはヌデンブ族の儀礼における象徴の意味を住民自身の解説によってとらえ,さらにいくつもの象徴の間の関係をさぐる。…
【文化人類学】より
…それは一口にいって認識にかかわる研究の傾向である。その一つは象徴人類学symbolic anthropologyと呼ばれるもので,C.ギアツ,シュナイダーD.Schneider,ターナーV.Turner,ダグラスM.Douglasなどを代表とする。彼らは文化をシンボル体系としてとらえようとする点で共通の立場に立っている。…
※「ターナー,V.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」