短夜(読み)みじかよ

精選版 日本国語大辞典 「短夜」の意味・読み・例文・類語

みじか‐よ【短夜】

〘名〙 短い夜。特に、明けやすい夏の夜。《季・夏》
万葉(8C後)一〇・一九八一「霍公鳥(ほととぎす)来鳴く五月の短夜(みじかよ)も独りし寝れば明しかねつも」
※とはずがたり(14C前)四「月は宵過ぐるほどに、待たれて出づる頃なれば、みしか夜の空もかねて物憂きに」
[語誌](1)特に、秋の夜長に対していうことが多い。
(2)「万葉集」から恋の歌にとりわけ好まれ、明けやすさを惜しみ恨む後朝(きぬぎぬ)の情がしばしば詠まれる。

たん‐や【短夜】

〘名〙 短い夜。夏の短い夜。みじかよ。《季・夏》
延喜式(927)二一「凡諸寺燈油者。大寺用当寺物。〈略〉長夜二合。短夜一合五勺」
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「此虫人身を刺傷し短夜(タンヤ)睡間を破り」 〔楚辞九章

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デジタル大辞泉 「短夜」の意味・読み・例文・類語

みじか‐よ【短夜】

短い夜。夜明けの早い夏の夜。たんや。 夏》「―や毛むしの上に露の玉/蕪村

たん‐や【短夜】

夏の短い夜。みじかよ。⇔長夜ちょうや

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百科事典マイペディア 「短夜」の意味・わかりやすい解説

短夜【みじかよ】

荻江節曲名成立の詳細は不明。4世荻江露友のころにできたらしい。若くして死んだ人をいたむ追善曲。小曲なので入門用にも用いられる。

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普及版 字通 「短夜」の読み・字形・画数・意味

【短夜】たんや

みじか夜。

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