世界大百科事典(旧版)内のダイラタンシーモデルの言及
【地震予知】より
…その場合,断層面および周辺の地殻内の応力分布はかなり不均一であると考えられ,前兆現象の出現が期待されるので,上に述べたような極端な悲観論は当たらない。一方,1970年代の初期に,地震前の地震波速度変化や地殻の異常隆起の報告に根拠をおいてダイラタンシーモデルが提唱されて,地震予知についての極端な楽観論が風靡したことがあった。しかし,その根拠とされた著しい地震波速度変化の異常がその後の精度のよい観測でいっこうに認められないこと(たとえあったとしても小さい)や,1974年から80年にかけて伊豆半島とその周辺で続発した地震の起こり方などがこのモデルの予測と違うことなどから,このモデルの主張する機構についても再検討の必要があるとされ,極端な楽観論もしだいに影をひそめた。…
※「ダイラタンシーモデル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」