ダウラ(読み)だうら

世界大百科事典(旧版)内のダウラの言及

【イスラム】より

…9世紀ころまでにはイスラム法(シャリーア)の体系化も行われ,ウンマの指導者としてシャリーアの執行にあたるカリフの権限は著しく強化された。しかし一方では,ウンマの統一はすでに失われ,東西に分裂したイスラム世界はカリフあるいは王(マリクアミール)を主権者に戴く王朝(ダウラdawla)によって支配されるのが実情であった。ダウラは元来〈時の推移〉や〈季節の転換〉を意味するアラビア語であるが,これが〈王朝〉の意味に用いられるのはアッバース朝時代になってからのことである。…

【スジャラ・ムラユ】より

…内容は,アレクサンドロス大王にまでさかのぼるマラッカ王国の王統の起源から説き起こし,マラッカの建国,その黄金時代を経て1511年のポルトガルの攻撃による王国の崩壊までの歴史で,スルタンの宮廷を中心に数多くのエピソードをちりばめ,伝説と歴史が渾然一体となり華麗に展開する。マレーの伝統的歴史記述の特色は,支配者が神話や伝説によって神秘化されたその系譜を書くことで,その目的はダウラという王権の神聖性を高めることにあり,その当然の帰結として,民衆には絶対の服従と忠誠が要求される。本書は手写本の形でしか存在しなかったが,1831年に初めてシンガポールで《アブドゥッラー物語》の著者アブドゥッラーによって印刷出版された。…

※「ダウラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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