《ダマスコ文書》(読み)だますこもんじょ

世界大百科事典(旧版)内の《ダマスコ文書》の言及

【死海写本】より

…1977年に初めて全巻が公刊された《神殿文書》(11QTemple)は,エルサレム神殿や潔めに関する規律を述べ,理想的神殿の計画を記す,死海写本中最も長大な巻物である。以上は死海写本によって初めて世に知られた文書であるが,安息日戒律を説き〈義の教師〉に言及する《ダマスコ文書》(CD,4QD)は20世紀初頭すでにカイロで発見されている。
[意義]
 〈クムラン文書〉を蔵していた共同体がユダヤ教エッセネ派に属するという,発見当時の仮説は,その後の証拠により着々と裏付けられ,この世を光(真実の霊)と闇(虚偽の霊)との戦いの場とし,終末における光の勝利を確信し,厳格な戒めを守りつつメシアの到来を待ち望むという彼らの生活態度は,洗礼・聖餐という典礼とともに原始キリスト教会に引き継がれたと想定することもできる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」