世界大百科事典(旧版)内のダマスコ細工の言及
【イスラム美術】より
…そして,〈ペルシア様式〉とモースルなどの〈メソポタミア様式〉は,工匠の移動によりモンゴル時代を境として融合し始め,明確に区別できなくなる。 15世紀に入ると,鋼鉄の甲冑や剣,銃に金線,銀線を象嵌,あるいは箔を置いた,いわゆる〈ダマスコ細工〉がシリアをはじめとして,各地で盛んになった。マムルーク朝時代のシリア,エジプトの作品の特色は,従来のアラベスク,幾何学文,銘文(雄渾なスルシー体),紋章などに,中国からもたらされた蓮華,シャクヤク,雲などの装飾モティーフが新たに加えられたことと,概して装飾が質朴なことである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」