世界大百科事典(旧版)内のダルジャントレ,B.の言及
【国際私法】より
…これに対する解決指針をローマ法に始まり当時に至る諸説を理論的に整備集大成して体系化を図ることによって呈示したのがバルトルス(1314‐57)であり,彼は国際私法学の始祖といわれている。この理論をより洗練して人法・物法・混合法の3種に区分する手法をまとめたB.ダルジャントレ(1519‐90),当事者の黙示意思を準拠法選択の規準にとり,後世の当事者自治論への契機を与えたC.デュムーラン(1500‐66)の時代を経て,ウェストファリア条約(1648)の下で中世的飛地支配が一円的領域支配を基盤とする主権的統治体の並立という体制に代わる。この体制の下では,統治体の独立性の保持に熱心なあまり,ある領域では有効なものが他では無効となったりすることも避けられず,これを排して国際交流の安定化と促進とを図るため領域を超えた既得権の保護の必要性が感じられることとなる一方で,他の領域で成立した権利や行為の効力やその基礎となった他領域の法律の効力を自領域内で認めねばならない根拠は何かが論じられるようになってくる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」