世界大百科事典(旧版)内のダール・アルハルブの言及
【ジハード】より
…イスラム法の理念では,世界はイスラムの主権の確立されたダール・アルイスラームでなければならない。まだその主権が確立されていない世界は,ダール・アルハルブdār al‐ḥarb(戦争世界)と定義され,そこではイスラムの主権が確立されるまでジハードが必要となる。またダール・アルイスラームが異教徒によって脅かされる時にも,ジハードが必要となる。…
【戦争】より
… 後世に確立したイスラム法は,このような戦争をジハードとして合法化した。法理論のうえでは,世界はイスラム教徒が主権者である〈イスラム世界(ダール・アルイスラーム)〉と異教徒が主権者である〈戦争世界(ダール・アルハルブdar al‐ḥarb)〉に分かれている。その戦争世界をイスラム世界に引き寄せるための戦いがジハードであるとする。…
【ダール・アルイスラーム】より
…ダールが世界を意味しうるのは,それがバイトbayt(家)と違って,本来,壁,塀,天幕,城壁などで囲まれた空間を意味するからである。イスラム法によれば,世界はイスラム法の支配するダール・アルイスラームと,異教徒の法の支配するダール・アルハルブdār al‐ḥarb(戦いの家)とに二分され,後者を征服によって前者にすることがジハードの目的である。ダール・アルイスラームの住民はイスラム教徒と,イスラムの支配を受れ入れたジンミーに限られ,多神教徒の存在の余地はない。…
※「ダール・アルハルブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」