チェース,M.(読み)ちぇーす

世界大百科事典(旧版)内のチェース,M.の言及

【遺伝学】より

…1940年代に入ってからウイルス学が発展し,細胞構造をもつ生物と同様,ウイルスにも遺伝的特性を異にするいろいろの系統があり,これらの間に遺伝子の組換えがおこることもわかってきた。ウイルス粒子はタンパク質とDNA(またはRNA)からなるが,ハーシーA.D.HersheyとチェースM.Chase(1952)はウイルスがバクテリアに侵入する際,タンパク質は宿主細胞の外に置去りにされ,宿主細胞に入るのはDNAだけであることを証明した。これはウイルスの増殖に必要なのはDNAであることを示唆したものである。…

【遺伝情報】より

…一方,遺伝情報を実際に蓄えている物質については,20世紀中ごろにおこなわれた一連の実験により,DNA(デオキシリボ核酸)がその本体であることが確定した。たとえば,肺炎双球菌の無毒株が有毒株から精製したDNAを取り込むことで有毒株になる(形質転換)というO.T.エーブリーらの実験,そして,大腸菌のウイルスが増殖するためには,タンパク質ではなくDNAが必要であることを証明したハーシーA.D.HersheyとチェースM.Chaseの実験などである。 DNAが遺伝物質であることが確定すると,次にDNA分子の中にどのように情報が蓄えられ,その情報が解読されてタンパク質さらには生体の高次構造や機能が作られるのか,さらにDNAの正確な複製はいかにしておこるのかということが問題となった。…

※「チェース,M.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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