ティン・パン・アリー(読み)てぃんぱんありー

世界大百科事典(旧版)内のティン・パン・アリーの言及

【ジャズ】より

…ガーシュウィンの《ラプソディ・イン・ブルー》がその所産であることは明らかだが,黒人オペラ《ポーギーとベス》は,サウス・カロライナ州チャールストン付近に長期滞在して,黒人の音楽と生活を観察したフィールド・ワークの成果といえる。
[ポピュラー音楽とジャズ]
 ジャズが,ティン・パン・アリーTin Pan Alleyと総称されるアメリカの歌謡界に及ぼした影響は,はかり知れぬものがある。また1940年代中ごろ,ハーレムから現れたリズム・アンド・ブルースは,かつての悲しい歌ではなく,リズムをきかせ,冷笑的に現代を歌って新しい黒人の大衆音楽となった。…

【ポピュラー音楽】より

…プロモーションのためその曲を人気芸人に歌ってもらい,それに対して謝礼を支払うのを〈ペイオーラpayola〉と呼ぶ。こうした手口によって1880~90年代に商業活動の基盤を確立したアメリカの楽譜出版業界を〈ティン・パン・アリーTin Pan Alley〉と称するが,メーンストリーム音楽はすなわちティン・パン・アリーによって生産される音楽であり,彼らの確立した生産・販売システムは,その後レコード業界にも踏襲されてゆく。 一方,1863年の奴隷解放後,アメリカ南部では黒人たちの音楽活動が活発となり,ブルース,ラグタイム,ジャズなどが,19世紀の終りころ相次いで生み出された。…

【ポピュラー・ソング】より

…20世紀初頭から1950年代半ばまでのアメリカ音楽業界を支えてきた。8小節ずつ4行の32小節をひとまとまりとする形が標準で,専門の作詞家が詞を書き,作曲家が曲をつけ,ニューヨークの〈ティン・パン・アリーTin Pan Alley〉と総称される出版社(のちにはポピュラー音楽業界を指すようにもなった)が楽譜を売り,男性もしくは女性歌手がオーケストラ伴奏で録音し,片面1曲ずつのシングル盤(78回転もしくは45回転)のレコードとして売り出す,というのが典型的な発表方法であった。ビング・クロスビー,フランク・シナトラ,ペリー・コモらはそのような歌手の中の代表的なスターである。…

※「ティン・パン・アリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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