世界大百科事典(旧版)内のディナン物の言及
【金属工芸】より
…また主要材料が銅から銀に移ると,エマイユは銀にかけて効果のあがるトランスリュシード(半透明)の技法が選ばれた。青銅品の鋳造は引き続いてドイツに盛んであったが,新たにネーデルラントにもこの技術がおこり,フランスのディナンには教会用雑器とともに家庭用雑器が作られ,〈ディナン物dinanderie〉の名称も生まれた。
[近世~近代]
ルネサンス時代には,古典復興の思潮にのって工芸品にも古代芸術の理想や形式がとり入れられた。…
【鋳造】より
…シンチュウは金属としては高価なものではなく,また装飾や金めっきの下地に向かなかったので,おもに教会用雑器や家庭用食器につくられた。ディナンDinantの町はこれらシンチュウ製品でよく知られ,15世紀には〈ディナン物dinanderie〉という言葉はムーズ渓谷沿いで大量に作られたシンチュウ製品をいうのに使われた。またシンチュウ製品一般をこのように呼ぶ場合もある。…
※「ディナン物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」