世界大百科事典(旧版)内のデコクション法の言及
【ビール】より
…麦芽および糖質副原料は粉砕して仕込槽に入れ温水とかくはん混合し,所定の温度‐時間ダイヤグラムに従って酵素反応を行わせ,デンプンから麦芽糖,タンパク質からペプチド・アミノ酸などへと高分子化合物の分解を図り,マイシェmaischeと呼ぶ糖化もろみをつくる。この仕込みダイヤグラムはビールの品質設計に基づいて定められるが,大別して仕込槽全体の温度を調節するインフェージョン法と,もろみの一部を仕込みがまにとり煮沸して仕込槽に戻すことにより,槽の温度を段階的に上げるデコクション法があり,日本では一般に後者によっている。一例を示すとまずタンパク分解酵素の活動を主目的として,40~55℃で40~60分保持し(タンパク休息と呼ぶ),ついで65~70℃で60~90分保持して,アミラーゼの作用により,麦芽糖を主とした発酵性糖類を生成させ,さらに75~80℃に昇温して,酵素作用の停止,およびろ過の促進のための粘度低下を行わせた後,マイシェをろ過し麦汁(麦芽汁)と呼ばれる糖液と残渣(ざんさ)のかす(ビールかす)を得る。…
※「デコクション法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」