世界大百科事典(旧版)内のデスプランテの言及
【スペイン舞踊】より
…もとはアンダルシア地方に定着したジプシーのあいだにはぐくまれたもので,その音楽ともども東方的な色彩が強く表れ,各種技術の徹底した練磨や,現代に至り強化された舞台芸術としての洗練が加わって,きわめて個性的・魅力的な舞踊の一ジャンルと認められている。サパテアード,ブラセオbraceo(手と腕の動き),デスプランテdesplante(急な静止),ブエルタvuelta(旋回),パセオなどの技術は他のスペイン舞踊と共通の要素ではあるが,いずれも独特の流儀にもとづき複雑化・尖鋭化されており味わいが豊かである。男女の衣装,踊る際の表情などの点にも固有の流儀が守られる。…
【フラメンコ】より
…足の動きはサパテアードまたはサパテオと呼ばれ,踊り手が上体の動きを少なくし,もっぱら靴音によって千変万化のリズムを打ち出す,足さばきの技法に特色がある。その他,激しい動きを一瞬止めて姿のよさを際だたせるデスプランテ,歩き方の優美さを見せるパセオなどがおもな技法で,女性はひだが多く長い裾を引くスカート,男性はぴったり身についたチョッキとズボンという伝統的な衣装をつける。今日舞台のフラメンコでカスタネットが多用されるが,これはスペイン一般の舞踊からきたもので,ジプシーたちは本来カスタネットを使わず,代りにピートスpitosという指鳴しのテクニックでリズムをつくり出すことが多い。…
※「デスプランテ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」