世界大百科事典(旧版)内のデッカー,P.の言及
【バロック美術】より
…ゲルマンのバロックの特徴がとくに顕著なのは,宗教建築の分野で,イタリア・バロックの官能の陶酔を誘う表現に,強い空間構成への意志が加えられて,建築,絵画,彫刻が渾然一体となった世界が構築されている。わりに早い時期に属するのは,ウィーンのザンクト・カール・ボロメウス聖堂(1716)を造ったJ.B.フィッシャー・フォン・エルラハやJ.プランタウアーなどで,これにJ.L.vonヒルデブラント,デッカーPaul Decker(1677‐1713)らがつづく。また宮廷建築においても,ザクセンのペッペルマンMatthäus Daniel Pöppelmann(1662‐1736)がドレスデンに造ったツウィンガー宮殿(1711‐28)や,ヒルデブラントのウィーンのベルベデーレ宮殿などのような作品があり,イタリアに端を発する大階段室のデザインは,ゲルマン文化圏において,もっとも幻想に満ちた世界を構築するに至っている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」