世界大百科事典(旧版)内のデモノマニアの言及
【狂気】より
…何時間も踊りつづける〈舞踏狂〉(舞踏病)や皮の鞭で自分の体をはげしく打つ〈むち打ち苦行者〉,人里を徘徊して人間を食い殺す〈人狼〉(狼男),修道院内に頻発する集団憑依現象などがその例として記録され,マイナスの価値をもつものとして扱われている。教会の権威が内部矛盾によってゆらぐ中世末期になると,狂気に由来する異常な言動は悪魔と手を結んだ人間または〈悪魔憑(つ)き(デモノマニアdemonomania)〉のあかしとみなされ,迫害が及ぶようになる。いわゆる〈魔女狩り〉の嵐が吹き荒れたのはルネサンスに入ってからで,〈中世全体を通じて焚刑に処せられた魔女の数は,もっと進歩的になった15世紀とその後の2世紀間に焚刑にされた魔女の数より少ない〉と伝えられる。…
※「デモノマニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」