世界大百科事典(旧版)内のトウォデル,W.F.の言及
【音素】より
…この音素の規定は1930年代から40年代にかけて言語学の主要課題であった。音素については,これを具体的音声から抽出された音声概念とするポーランドの言語学者ボードゥアン・ド・クルトネの素朴な見解から,一方では心理的実在としてある型をなすものとするE.サピアの説および同質の音声のグループと解するD.ジョーンズの見方に進み,ついに音素は虚構であるというアメリカの言語学者トウォデルW.F.Twaddell(1906‐ )の極論にいたった。これに対し,L.ブルームフィールドは音素を物理的実体としてとらえる立場を表明した。…
【構造言語学】より
…1930年代後半から50年代にかけての約20年はL.ブルームフィールドの追随者たちによるアメリカ構造言語学の全盛期でその影響は全世界に及んだが,末期には理論的行詰りを生じた。音素論ではブロックBernard Bloch(1907‐65),トウォデルWilliam Freeman Twaddell(1906‐ ),形態論ではハリスZelig Harris(1909‐ ),ホケットCharles Hockett(1916‐ ),ナイダEugene Nida(1914‐ )らの業績が重要である。分布主義的方法論の祖述としては先のブロックとトレーガーGeorge Trager(1906‐ )の《言語分析概説Outline of Linguistic Analysis》(1942)とハリスの《構造言語学の方法Methods in Structural Linguistics》(1951)が代表的であるが,とくに後者は分布主義の方法論的行詰りを認め,弟子のN.チョムスキーによる反分布主義的な変形生成文法(生成文法)への道を開いた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」