世界大百科事典(旧版)内のトゥレーヌ,A.の言及
【脱工業社会】より
…しかし,この社会でも,さまざまな集団の要求を調整して成り立つ社会計画に関しては必ずしも合理性だけで押しとおすことはできず,したがって最終的な政策決定をめぐっては,効率性を追求するテクノクラートと各集団の利害を代表する政治家とのあいだの矛盾を除くことはできない。他方,フランスの社会学者トゥレーヌAlain Touraineによれば,脱工業社会とはなによりも新しい形の社会紛争によって特色づけられる社会であり,産業社会を特徴づけてきたのが資本家と労働者との階級闘争であったとすれば,脱工業社会を特徴づけるのは,専門的な技術との関係で権力を行使するテクノクラート的な新しい階級と,そうした技術や権力から排除されることによって疎外されるプロレタリア的な新しい階級との闘争である。トゥレーヌは,こうした視点からさらに,脱工業社会はコンピューターや計画技術の導入によって〈プログラム化された社会société programmée〉であり,そのような形でたえずみずからを生産していく社会であるともいっている。…
※「トゥレーヌ,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」