世界大百科事典(旧版)内のト・エオンの言及
【ギリシア科学】より
… しかしこのようなイオニアの生成変化の考え方は,イタリアのエレア出身の思索家パルメニデスの〈存在〉の論理の批判の前に一つの危機に逢着する。パルメニデスによれば,真理の世界は〈有るものは有り,有らぬものは有らぬ〉という基礎原理によって貫かれるもので,このような自同的原理に矛盾しない不変不動の一者たる〈存在(ト・エオン)〉のみが真の認識の対象となる。したがってイオニアの自然学者の説く〈生成変化〉はこの原理にもとる,感覚にあざむかれた〈臆見(ドクサ)〉にすぎないというのである。…
※「ト・エオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」