…そうしたトッカータを高度に発展させたのが北ドイツ・オルガン楽派の雄ブクステフーデである。オルガンの名手として名高かったJ.S.バッハは若い頃しかこの種のトッカータを作曲しなかったが,彼の有名なニ短調の《トッカータとフーガ》(BWV565)は,1705年にリューベックのブクステフーデを訪れたときの感動をそのままに伝えている。クラビーアのための有名な《半音階的幻想曲とフーガ》(BWV903)にもトッカータ精神がみなぎっている。…
…05年10月から翌年1月末にかけて,バッハは北ドイツのリューベックを訪れて大家D.ブクステフーデの音楽に接し,そこから深い感銘を受けた。その影響は,この時期に書かれた多くのオルガン曲,たとえば有名な《トッカータとフーガ,ニ短調》(BWV565)などに明らかである。しかし,若いバッハは教会を監督する聖職会議としばしば衝突し,07年6月,帝国自由都市ミュールハウゼンのザンクト・ブラジウス教会オルガン奏者へと転任する。…
※「トッカータとフーガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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