世界大百科事典(旧版)内のとら屋切手の言及
【切手】より
…この店の菓子は美味で価格も安かったためたいへんな人気で,連日早朝から夜まで繁盛したといい,10cm×24cmほどの杉原紙に刷った切手もおびただしく発行された。市内に火事があると虎屋の切手も焼けたといわれ,天保(1830‐44)末年ごろから経営が悪化すると,これらの切手を抵当にして金策したこともあったらしく,市内各所で〈とら屋切手あり〉とのはり札が見られたと《浪華百事談》は記している。郵便切手【鈴木 晋一】。…
【まんじゅう(饅頭)】より
…大坂では高麗橋三丁目の虎屋のものが美味の名をうたわれた。たいへんな人気で,贈答用に杉原紙に刷ったまんじゅう切手もおびただしく売れ,天保(1830‐44)末年ころ経営が悪化した時期には市内いたるところに〈とら屋切手あり〉のはり札が見られたという。江戸時代にはいろいろなまんじゅうがつくられたが,主流は小麦粉を甘酒で練って発酵させた皮を用いるもの,つまり酒(さか)まんじゅうと呼ぶ類であった。…
※「とら屋切手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」