《トリスタン佯狂》(読み)とりすたんようきょう

世界大百科事典(旧版)内の《トリスタン佯狂》の言及

【トリスタンとイゾルデ】より

… 制度の弾圧によっても抑止できぬ性愛,それも死によって完結する運命的情熱の物語は,例えば《デイアメイドとグレイン》のようにケルト人の伝承に起源をもつが,1170年ころ,同じく失われた原本から出発した2人の作者,ドイツのアイルハルト・フォン・オーベルゲEilhart von Oberge,フランスのベルールBéroulによって書かれた。媚薬に決定的な役割を与え,主人公が情熱を満たすためには詐術や暴力も辞さぬなど,荒削りな原型をよく伝えていると思われるこの二つの物語と,ベルン写本《トリスタン佯狂》(12世紀末?),《散文トリスタン》(1215‐30?)を〈流布本(俗本)系統〉と呼ぶ。これに対し,当事者の自由意志を基本とする宮廷風騎士道物語の視角からこの伝説を取り上げ,主人公の行動よりは心理分析に熱中し,媚薬の役割を象徴的なものに変えた試みが,フランスのトマThomasによってなされる(1158‐80?)。…

※「《トリスタン佯狂》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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