世界大百科事典(旧版)内のトルーロの言及
【住居】より
…壁は石積みで厚く,開口部にアーチが多用される。屋根はイタリアでは瓦葺きが多いが,東南部のプーリア地方には〈トルーロtrullo〉と呼ばれる独特の石積屋根が見られる。これは石灰岩の薄板を円錐形に積み上げたもので,白い外壁と黒っぽい屋根とがコントラストをなす。…
【民家】より
…しかし,フランス南部のプロバンスより西,さらにスペインの南部からイタリア半島にかけての民家は,ゆるい勾配の丸瓦葺きの屋根で束立ての小屋組みが主流で,しかもその平面の形は不整形がますます多くなってくる。これらの地方には,古くから円形や長円形の平面をした住居があって,円錐形の石屋根トルーロtrulloをのせた南イタリアの石壁の民家や,サルデーニャの民家にその伝統は受け継がれている。
[地域のつながり]
アドリア海を越えてバルカン半島に至ると,屋根の形は寄棟が増し,破風のついた石造の民家はますます少なくなる。…
※「トルーロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」