世界大百科事典(旧版)内の《ドデカコルドン》の言及
【グラレアヌス】より
…エラスムスと親交を結び,宗教的には反宗教改革の立場を固持した。主著《ドデカコルドンDodekachordon》(1547)は古代・中世の理論的伝統に立脚,ボエティウスやガフリウスを踏まえて,特に教会旋法の理論に大きく貢献した。従来八つとされていた旋法に,実際の音楽では既に使われていたイオニアとエオリアの各正格と変格の4種が加えられた。…
【長調】より
…ただし短調では,上述の自然的短調のほかに,和声的要求から第7度音が半音上げられて主音への導音となることで属和音のみ長3和音となる場合(和声的短調),さらに旋律的要求から上行時に第6度音も半音上げられて下属和音も長3和音を構成する場合(旋律的短調)がしばしばある。 長調・短調は教会旋法から徐々に発展してきたもので,理論的にはグラレアヌスが《ドデカコルドン》(1547)で提示したイオニア旋法(ハ音上の全音階)とエオリア旋法(イ音上の全音階)に始まる。しかしその本格的な展開は,3度音程を重視する3和音論や各音・各和音相互の有機的連関を強調する機能和声論などの成立を待たなければならない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」