…彼はドナウ派の中心的な画家で,草創期の風景画芸術の発展に果たした役割はきわめて大きい。《ドナウウェルトの眺め》(《城のある風景》,1528ころ)は,人物を含まない純粋な油彩風景画としてはヨーロッパ最初の例とされ,そこには自然そのものに対する感情のめざめが見てとれる。彼はレーゲンスブルクの公式の建築家でもあり,絵画作品では建築的なモティーフが大きな比重を占める。…
…いずれの場合にも,人間は自然との対比において二次的な,しばしば点景にすぎない存在であり,この点でも,風景が人物の背景としてとらえられているイタリア・ルネサンス絵画とは異なっている。アルトドルファーの《ドナウウェルトの眺め》は,人物を全く含まない油彩による純粋な風景画としてヨーロッパ最初の例とされるが,ここに漂うロマンティックな抒情性は,19世紀のロマン派のいわゆる〈情調の風景Stimmungslandschaft〉を予告している。なお,ドナウ派という名称は,19世紀末にドイツの美術史家フリンメルTheodor von Frimmelが用いだしたもので,その後一般的な用語として定着した。…
※「ドナウウェルトの眺め」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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