世界大百科事典(旧版)内のドナン,F.G.の言及
【膜平衡】より
…膜で仕切られた電解質溶液の一方に膜を透過できないイオン(固定イオン,コロイドイオンなど)を含むとき,そのイオンの存在によって膜の両側における他のイオンの分布は影響をうけ,電気的中性の条件を満たすように,膜の両側でイオンの不均一分布をとって平衡に達する。これを膜平衡と呼び,その熱力学的理論は,1911年ドイツのドナンFrederick George Donnan(1870‐1956)により与えられたので,ドナンの膜平衡ともいう。たとえば,高濃度の固定イオンをもつイオン交換樹脂が塩溶液中にあるとき,樹脂は固定イオンを通さない仮想的な膜で囲まれているとみなすことができるので,この系のイオン交換平衡を膜平衡として取り扱うことができる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」