世界大百科事典(旧版)内の《なにもない空間》の言及
【演劇】より
…したがって本項目では,演劇という営為と体験の基底をなすと考えられる特性について,上記4要素とその相関性についての問いを考慮に入れつつ,主として日本演劇と西洋演劇に具体例を借りて,概略を記述してみる。
【観客――視覚の二重性】
現代イギリスの演出家で1960年代末から主としてフランスで活躍しているP.ブルックは,その《なにもない空間》の中で次のような趣旨のことを述べている。〈どこでもいい,なにもない空間。…
【劇場】より
…〈近代劇場〉が獲得した富に基づき,さらにその先で,広場のまんなかに立てる新しい〈花で飾った1本の杭〉が求められている。小劇場前衛劇【津野 海太郎】
【舞台と客席】
イギリスの演出家P.ブルックは,演劇論《なにもない空間》(1968)の冒頭で,〈なにもない空間をひとりの人間が横切り,それをもうひとりの人間が見ているだけで,演劇行為は成立する〉という趣旨のことを述べている。つまり,演劇が成り立つためには演技者と観客という,機能を異にする2種類の人間の存在が必要なのである。…
※「《なにもない空間》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」