世界大百科事典(旧版)内のナンセン旅券の言及
【亡命】より
…1920年に設立された連盟は,ノルウェーの探検家F.ナンセンを亡命者救済の高等弁務官に任命し,主として,ロシア革命後のロシア人亡命者の救済にあたらせた。この200万人に及ぶ亡命者は国籍を剝奪されており,有効な旅券も所持していなかったことから,ナンセンは国際的に効力をもった身分証明書の交付の発行を訴え,連盟理事会で承認された(ナンセン旅券)。この旅券は有効期間1年であったが,亡命者の就職,再定住に,また第三国への入国査証取得に役立った。…
【旅券】より
…そのほか,指揮者のいる団体旅行者に一括して与えられる団体旅券,無国籍者や本国の旅券を取得できない外国人に所在国が与える外国人旅券の制度をもつ国もある。権限ある国際機関や所在国が難民に発給する旅券や難民旅行証明書(例えば,国際連盟時代に難民高等弁務官ナンセンの発案で難民所在国が発給した身分証明書はナンセン旅券と呼ばれた),さらに領事の発行した渡航証明書などが,広義の旅券として日本で認められている。 日本の〈出入国管理及び難民認定法〉(出入国管理)は,乗員手帳を持つ船員などを除き〈外国人は,有効な旅券を所持しなければ本邦に入ってはならない〉(3条1項)と規定する。…
※「ナンセン旅券」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」