世界大百科事典(旧版)内のハイスキュープロペラの言及
【船型】より
… プロペラ理論は,有限翼幅直進翼のものと基本的に同じで,揚力線理論,揚力面理論などが使われるが,船のプロペラの場合は,つねに不均一な流れの中で作動し,後方に舵があること,キャビテーションや振動などの有害な現象に対する考慮が必要なことなど,特有の問題を含んでいるので,これらのことを考慮した理論解析が行われる。推進効率を改善したり,キャビテーション,振動などの有害な影響を小さくするために,翼数,ピッチ分布,翼断面形状の設計に注意が払われるが,さらに積極的な設計例としては,翼の輪郭を回転方向の逆に大きくゆがませて起振力を小さくするハイスキュープロペラや,断面が翼型の円筒形ダクトをプロペラを包むように装着したダクトプロペラなどがある。プロペラ【宮田 秀明】。…
【プロペラ】より
… 特殊な形のプロペラとしては,プロペラのまわりを断面が翼型をした円筒(ダクト)でおおったダクトプロペラ,魚雷などに使われている互いに反対方向に回転する二つのプロペラからなる二重反転プロペラ,回転する円板に垂直に翼を取りつけ,翼の迎え角を1回転中に変えることによって推力を発生させる翼車推進器などがある。また最近では,プロペラの回転により生ずる船体振動を減らすため,後退角のついた翼をもつハイスキュープロペラが使われるようになった。
[プロペラの性能]
以前はプロペラの設計には実験を基にした設計図表を用いることが一般的であったが,最近の流体力学理論の発展とコンピューターの発達により,プロペラは理論計算に基づいて設計されるようになってきた。…
※「ハイスキュープロペラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」