世界大百科事典(旧版)内のバランシエンヌ,P.H.deの言及
【印象主義】より
…フランスでは,アカデミーの砦にこもっていた新古典主義の風景画家たちにおいてすら,印象派を思わせるような斬新なスケッチが見られる。バランシエンヌPierre‐Henri de Valenciennes(1750‐1815)はその著《実用遠近法入門》(1800)で,戸外の自然のあらゆる季節,時間,光の状態を分析したのみならず,自ら雲や,山を覆う霧などをごく短時間にとらえた油彩スケッチを残した。このようにスケッチの段階ではかなり早くから明るい戸外の光を見えるままに描き出す努力がなされていたが,それを実際の完成作品に,部分的ではあるが応用したのがドラクロアである。…
※「バランシエンヌ,P.H.de」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」