世界大百科事典(旧版)内のバートン,D.H.R.の言及
【化学】より
…しかし20世紀になってハッセルOdd Hassel(1897‐1981)は,シクロヘキサンは舟形でなく安定ないす形構造をもつことを電子線回折から明らかにした(1930~40年代)。同じころバートンDerek Harold Richard Barton(1918‐ )は,いす形シクロヘキサン構造を仮定すればステロイドの種々の反応が統一的に説明できることを知った(1950ころ)。シクロヘキサン環の形や反応性のように単結合のまわりの回転で決まる構造や性質の研究は配座解析と呼ばれるようになった。…
【シクロヘキサン】より
…反転によって環はいす形からもう一つのいす形に変化するが,エカトリアルの異性体が著しく安定であるため,室温では一種の異性体しか観測できないが,低温では確かに2種の異性体が観測できることも確認された。同じころバートンDerek Harold Richard Barton(1918‐ )はステロイド異性体の示す反応の速度や立体化学の相違は,シクロヘキサンのいす形構造を導入すれば説明できることを明らかにした。シクロヘキサンの理論および実験化学の発展によって配座解析は化学の重要な一分野となった。…
※「バートン,D.H.R.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」