世界大百科事典(旧版)内のパンソフィアの言及
【コメニウス】より
… 彼の教育思想は,祖国の解放を宗教改革と一体にして行う課題から出発しながら,世界平和のための世界政府建設の理念と結びつくところへ発展したが,その背景には世界を神における一大調和とみる世界観,知を通して徳から信仰に至るという認識論とを含む神学がある。この観点から,すべての国の男女が同一の言語によって,階級差別のない単線型学校制度において学問のあらゆる分野を統合した万人に共通必須の普遍的知識の体系(パンソフィアpansophiaと彼は名づけた)を学ぶ必要を説き,みずからその体系化に精力を注ぐとともに,それを確実に身につけるための合自然の教育方法を追求した。主著《大教授学Didactica Magna》(最初チェコ語で書かれ,のちラテン語訳。…
【汎知学】より
…16世紀から17世紀にかけてのヨーロッパの転回期に出現した北方の精神運動。ラテン語,ドイツ語を直接写してパンソフィア,パンゾフィーともいう。H.クーンラート,ノリウスNollius,ドルンG.Dorn,V.ワイゲル,ジデロクラテスS.Siderocratesのような,主としてドイツのカッセルとフランクフルトを中心に活動した学者たちによって1600年前後に培われ,やがてチュービンゲンの知識人グループに波及してより福音主義的な色彩を帯びながら,J.V.アンドレーエの薔薇(ばら)十字文書に集中的表現を見いだした。…
※「パンソフィア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」