世界大百科事典(旧版)内のヒト白血球抗原の言及
【血液】より
…この物質が次の妊娠のおりに胎盤を通して胎児に入ると,子どもの赤血球が破壊され,その結果重症の黄疸をきたすことがある(胎児赤芽球症)。白血球や腎臓などの細胞の表面にも赤血球とは異なる凝集原があることが明らかにされ,これを組織適合抗原,またはヒト白血球抗原(HLA抗原(human leukocyte antigenの略)とよばれる)という。皮膚や腎臓の移植のときはこれが一致していることが望まれ,不適合の程度が強いと,拒絶反応が生じて機能をはたさなくなる。…
【臓器移植】より
…しかしRh型不適合は問題とならない。白血球型は,輸血を受けた人や経産婦の血清中に白血球を凝集する抗体が発見されてから,つぎつぎに型別が行われ,〈HLA(ヒト白血球抗原human leucocyte antigenの略)〉と呼ばれている。ヒトの第6染色体上にHLA抗原の決定因子があり,A,B,C,Dの四つの遺伝子座とDと関係のあるDP,DQ,DRが明らかになっている。…
【組織適合抗原】より
…多くの組織適合抗原が見いだされているが,最も強い拒絶反応をもたらすものを主要組織適合抗原といい,高等動物で広くその存在が確認されている。ヒトのHLA抗原(1958年にヒト白血球抗原として発見された)およびマウスのH‐2抗原がその代表的なものである。骨髄あるいは腎臓などの移植に際して主要組織適合抗原の一致率が高いほど,移植臓器の生着率は高くなる。…
※「ヒト白血球抗原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」