世界大百科事典(旧版)内のひりょうずの言及
【がんもどき】より
…豆腐を水気をきってくずし,細かく刻んだニンジン,ゴボウ,キクラゲ,ぎんなん,アサの実などを加え,ヤマノイモか卵白をつなぎにして丸め,油で揚げたもの。《守貞漫稿》に〈京坂ニテヒリヤウズ,江戸ニテガンモドキト云〉とあり,いまでも関西では〈ひりょうず(飛竜子,飛竜頭)〉〈ひろうす〉などと呼ぶ。このひりょうずは,もともとはポルトガル語のフィリョースfilhosから出た語で,《合類日用料理指南抄》(1689)などに見られるように,小麦粉に卵を合わせたものを油で揚げる南蛮菓子の一種であった。…
【南蛮菓子】より
…室町末期以後,ポルトガル人,オランダ人などによって伝えられた菓子。キリシタンの宣教師が布教に利用したことなどで普及し,《毛吹草》(1638)には京都の名産の一つに数えられている。小麦粉をはじめ,当時はまだあまり使われていなかった砂糖,鶏卵,油を多用するもので,その新しい味覚は日本人の食生活に大きな影響を与えた。多くの種類があったが,現在も盛んに作られているものにはカステラ,ボーロ,有平糖,カルメラ,金平糖などがあり,ほかに鶏卵をかき混ぜて熱した砂糖液の中に垂らし固める鶏卵素麵(たまごそうめん∥けいらんそうめん)は博多などの名物となっている。…
※「ひりょうず」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」