世界大百科事典(旧版)内のビキニマグロ事件の言及
【生物濃縮】より
…【林 秀剛】
[放射性物質の生物濃縮]
放射性物質が大規模に環境中に放出され,それを生物が濃縮して放射能汚染の問題が生じたのは,1954年に始まったビキニおよびエニウェトク環礁での水爆実験によってであった。とくに日本では,第五福竜丸の被災とともに,同水域でとったマグロに高度の放射能が検出され,その結果大量の廃棄処分を余儀なくされたビキニマグロ事件は大きな社会的関心をひき,放射性物質による海洋汚染と生物濃縮の研究の端緒となった。環境中で生物に濃縮される放射性核種には,ラジウムやウランのような天然放射性元素と,核爆発や原子力平和利用に伴って生成される人工放射性核種がある。…
※「ビキニマグロ事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」