世界大百科事典(旧版)内のビストゥン碑文の言及
【ビストゥン】より
…また,付近の平野部にはササン朝からサファビー朝にかけての諸遺跡がのこされている。 ビストゥン碑文は,ダレイオス1世の即位の正当性と,治世初期の大反乱を鎮めて帝国の統一を再建した彼の功業を伝えている。アフラ・マズダ神に祈願するダレイオス,彼が倒した王位簒奪(さんだつ)者ガウマータと9人の反乱指導者の群像浮彫を中央にして,これを三方から囲んで,古代ペルシア語の正文(5欄414行),エラム語(8欄593行),バビロニア語(1欄112行)の訳文が,それぞれの楔形文字を用いて記されている。…
【ペルシア文学】より
…〈アベスター〉には,このほかに,同じく詩形をとり,内容的にはインド・イラン共通時代にさかのぼる,神々への賛歌集《ヤシュト》が含まれており,その一部にはササン朝下で《フワダーイ・ナーマグ》に集大成されることになる英雄叙事詩の素材が見られる。非宗教文学としては,アケメネス朝ダレイオス1世のビストゥン碑文(ビストゥン)が,文字の形で残されているイラン最古の文献である。自分の即位の経緯と即位後の征服戦を記録している。…
※「ビストゥン碑文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」