世界大百科事典(旧版)内のビナヤの言及
【阿含】より
…アーガマは〈伝承された教え〉を意味する。釈尊すなわちゴータマ・ブッダの入滅後,その教法(ダンマ)や教団の規律(ビナヤ)は,記憶しやすい詩や短文の形で,口伝によって継承された。その後教団の確立にしたがい,教法は《経蔵Sutta‐piṭaka》に,規律は《律蔵Vinaya‐piṭaka》に,それぞれ集大成された。…
【戒律】より
…教団内部の諚として,一般法や道徳律に先んじて,教団構成員を拘束し,救済の基本条件となる。原始仏教では,戒(シーラśīla)と律(ビナヤvinaya)を分けるのが普通で,律は教団の規則を意味し,男僧250条,尼僧348条の禁制条項を指す。仏滅後の教団で,経典とは別の律蔵として,成文化された。…
【大蔵経】より
…経・律・論の三部よりなるところからこう呼ばれる。経(スッタsutta)は釈迦や弟子たちの言行録,律(ビナヤvinaya)は教団の戒律規定,論(アビダンマabhidhamma)は哲学的理論を展開したものである。釈迦の滅後,その教えを正しく伝えるために,弟子たちは〈結集(けつじゆう)〉(経典編集の集会)を開き,経典整理を開始したが,仏滅後100~200年ころには教団は多くの部派に分裂し,それぞれの部派が各自の三蔵を伝持するようになった。…
※「ビナヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」