世界大百科事典(旧版)内のビラ・アルメリコの言及
【パラディオ】より
…ベネチアの人文主義者バルバロDaniele Barbaro(1514‐70)との交友は有名で,共同してウィトルウィウス注釈書の作成にあたり(《バルバロ版ウィトルウィウス》1556,パラディオが図版の多くを担当),またルネサンス期のビラ中の傑作とされるビラ・バルバロ(トレビゾTreviso地方,1557以後)を残している。作品の大半(未完のものも多い)は《四書》に収録図示されて,のちのパラディオ主義の手本とされたが,なかでもビチェンツァ郊外のビラ・アルメリコ(通称〈ロトンダRotonda〉1567以後)は,正方形平面の中央にドームをのせた円形広間を配し,四面には同形のギリシア神殿風玄関を取り付けるという姿で,古典的形式美の極致として,近代に至るまで繰り返し模倣された。しかしその手法にはウィトルウィウス的な規範からは逸脱したものが多く,この神殿風玄関モティーフの扱いのほかにも,〈バシリカ〉で用いられたアーチ両脇に柱梁の小間を配するセルリアーナSerliana(またはパラディオ・モティーフ),半円櫛形の浴場窓(古代浴場に用いられた窓)などの定型化したモティーフを,古典的制約から離れた記号的なものとして用いる場合が多い。…
【ロトンダ】より
…この伝統はキリスト教建築にも継承され,洗礼堂や聖人の廟などに円形プランが用いられることが多かった。ルネサンス以後は円形は幾何学的に完全な形態として重視され,ブラマンテ作のテンピェット(1510ころ)やパラディオ作のビラ・アルメリコ(通称〈ロトンダRotonda〉。1567ころ)などが代表的作品とみなされ,後世の建築にも大きな影響を与えた。…
※「ビラ・アルメリコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」