改訂新版 世界大百科事典 「ビリカチオン制」の意味・わかりやすい解説
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…その内容についてはさまざまな理解があり,一義的な概念規定をすることはできない。経済史の側では,ほぼこの概念は領主的土地所有とそれに基づく借地農民の収奪の仕組みであると理解され,それが例えば,初期中世の修道院領のように,賦役労働による領主直営地経営(ビリカチオン制)を伴う場合には,とくに〈古典的〉グルントヘルシャフトとよんで後代の地代荘園型グルントヘルシャフトと区別される。また国制史の側では,しばしばこの概念は聖俗領主の〈支配〉体制そのものを表すのに用いられ(例えばオットー・ブルンナー),この場合には,それは単なる当該領主の所領組織ではなく,それを一つの基礎としつつもより包括的な社会・政治的支配構成体=領主支配圏(ヘルシャフト)を意味するものと考えられている。…
…封建社会において,領主の支配・隷属下にあった農民のあり方に関する概念であるが,何を基準に農奴とみるかについては,歴史学,経済学,法学といった分野によっても,また地域・時代によっても一様ではない(〈農奴制〉の項目を参照)。ここでは西欧とロシアに限定して論じるが,日本,中国などの前近代の農民のあり方については,〈荘園〉〈地主〉〈小作制度〉などの項目を参照されたい。
[西欧]
西欧中世社会は,当初から支配・隷属関係を内包していたが,中世初期を通じてますます多くの人間がそこにとらえられていった。…
… 封建制度が〈独立権力〉の組織化の役割を果たしたことも,以上のことと関連している。フランク王国では領主制が7世紀ころにはほぼ全面的に発展し,さらに8世紀に入ると古典荘園制(ビリカチオン制)の形成が進行し,それに伴って〈領主権力〉が生み出された。ところで,この領主権力は完全に自然発生的な独立の権力であり,それら相互の間にはさしあたりはなんらの秩序も存在せず,この状態をそのまま放置すれば社会は無政府状態に陥らざるをえない。…
…このころから領主制は,全域にわたって本格的な展開を遂げるとともに,中世初期のそれと異なる様相をも示すようになった。まず,中世初期に先進的王領,大教会領でつくりだされたビリカチオン制を伴う荘園領主制が,中央ヨーロッパでも,また教会領のみならず貴族領でも広範に成立した。その構造は基本的に以前と同様であり,領主は広い地域に散在する所有地をいくつかの単位荘園に編成し,各荘園中心地にある領主直営地を荘園所属のフーフェ保有農民の賦役を用いて耕作せしめ,その生産物を取得した。…
※「ビリカチオン制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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