世界大百科事典(旧版)内のピカールの小定理の言及
【ピカール】より
…79年トゥールーズ大学教授,85年パリ大学教授,88年アカデミー・デ・シアンスの大賞を授けられ,同会員に選定,1924年アカデミー・フランセーズ会員となる。もっとも著名な業績として1878年に得た〈ピカールの小定理〉は,〈整関数が二つの有限値をとらないならばこの関数は定数に等しい〉,同じく86年に得た〈ピカールの大定理〉は,〈孤立真性特異点aの近傍で1価の解析関数はたかだか二つの値を除いて,いかなる値もaの近傍で無限回とる〉というもので,これらはのちにE.ボレル,J.アダマール,E.ランダウ,E.ショットキーらの研究を経てネバンリンナR.Nevanlinnaの〈有理型関数の値分布理論〉(1929)に発展した。また微分方程式の解の逐次近似法,線形常微分方程式に関するガロア理論(この方程式の求積法の反復によっての可解性の判定),その他偏微分方程式の研究や代数幾何学の研究なども有名である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」