世界大百科事典(旧版)内のピラミッド複合体の言及
【帝王陵】より
…これ以後,種々の改良を加えて,第4王朝には四角錐の〈真のピラミッド〉が完成した。そして周壁のなかに葬祭殿と高官のマスタバを配置し,儀式用の船が通れるように,ナイル河畔の流域祭殿と葬祭殿を廊下で結んで,ピラミッド複合体が完成した。その頂点にあるのがギーザの〈三大ピラミッド〉である。…
【ピラミッド】より
… ピラミッドは王の遺骸および副葬品を納置すると同時に,現世にあっては神の化身として宇宙秩序(マアト)をみずからの手で維持し,死後は神々の一員としてこれを保証する存在となるファラオのための供養と祭儀の場でもあるため,ピラミッド本体のほか葬祭殿(上神殿),流域神殿(下神殿),両者をつなぐ参道,周壁,ときには舟坑で構成される。この〈ピラミッド複合体pyramid complex〉を囲んで王妃の小ピラミッド,王族・貴族のマスタバが整然と配置され,現世の国家秩序を来世に投影している。 ピラミッド本体は底面が正方形の角錐形,四辺は東西南北に面し,斜面の勾配は約52度,北面または北側地表面に〈玄室〉へ通じる傾斜通路の入口が開く。…
※「ピラミッド複合体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」