世界大百科事典(旧版)内のブッセ,K.の言及
【海潮音】より
…《明星》を中心に発表してきた西欧29詩人の詩57編を集めたもので,フランス詩壇の最新思潮である高踏派,象徴派に重点が置かれている。原詩の気息を生かした柔軟な翻訳で,ルコント・ド・リールの〈象〉など高踏派の壮麗な詩体は雅語を連ねた重厚な調べに移され,G.ダヌンツィオの華麗な〈燕の歌〉,R.ブラウニングの清新な〈春の朝〉,カール・ブッセの浪漫的な〈山のあなた〉など,いずれも名訳の誉れが高い。しかしこの集の意義は何といっても象徴主義の紹介にあり,序文ではE.ベルハーレンの〈鷺の歌〉を例にして象徴詩論が試みられており,これは以後日本の象徴詩の指標となった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」