ブテナント,A.F.J.(読み)ぶてなんと

世界大百科事典(旧版)内のブテナント,A.F.J.の言及

【エクジソン】より

…α‐エクジソン,前胸腺ホルモンの別称があり,時に20‐ヒドロキシエクジソン(20‐OH‐エクジソン,エクジステロン,β‐エクジソン,クラストエクジソンに同じ)を含めて脱皮ホルモンあるいは変態ホルモンともいう。単離と構造決定はドイツのブテナントA.ButenandtとカールソンP.Karlson一派によって1948年から始められ,17年の歳月を費やしたが,使用された蚕のさなぎは,乾燥重量で総計3.5tに及んだ。昆虫以外からは,海産ザリガニJasus labandiと海産のカニCallinectes sapidusから20‐OH‐エクジソンが単離・同定されている。…

【化学】より

…ウッドワードは相前後して,ストリキニーネ(アルカロイド),テトラサイクリン(抗生物質),クロロフィルa,ビタミンB12などの全合成を手がけた。ワルラハOtto Wallach(1847‐1931),ウィルシュテッターRichard Martin Willstätter(1872‐1942),H.フィッシャー,P.カラー,R.J.クーン,ブテナントAdolf Friedrich Johann Butenandt(1903‐95),ロビンソンRobert Robinson(1886‐1975)らは,テルペン,クロロフィル,ビタミン,ホルモン,アルカロイドの化学の発展に貢献した。これらの発展と表裏一体の関係にあったのは合成法の発達である。…

【元素分析】より

…この微量分析法により,化合物によってはほんの微量しか入手できない貴重な有機物質の分析にも適用可能となった。たとえばブテナントAdolf Friedrich Johann Butenandt(1903‐95)は男性ホルモンのアンドロステロンをわずか15mgほど得たが,このプレーグル法で2回分析できた(1931)。この方法で未知の多数の分子の化学構造式がつぎつぎと決定され,有機化学の進歩に多大の貢献をした。…

【男性ホルモン】より

… 精巣から何か特殊な物質が血中に出ると考えられるようになったのは,1849年にバーソールドA.A.Bertholdが去勢した雄鶏に精巣を移植すると,萎縮したとさかや鳴声などがもとの状態に戻ることを見いだしたときからである。その後1931年ブテナントA.F.J.Butenandtが男性尿から活性物質アンドロステロンを結晶として取り出すことに成功したが,この物質はホルモンの代謝産物であることがその後の研究で立証され,精巣から分泌される真の男性ホルモンであるテストステロンが結晶として分離されたのはラクールLaqueurらの研究(1935)によってであり,同年,ルジカLeopold Ruzičkaらによって合成も行われた。 精巣からの男性ホルモンの分泌は脳下垂体前葉の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の支配を受けており,思春期に入ると精巣での男性ホルモンの生合成と分泌が急激に高まる。…

【プロゲステロン】より

…無臭の白色結晶で,水に溶けず,アルコール,アセトンに溶ける。卵巣の黄体が内分泌機能を行うことは19世紀から予測されていたが,黄体ホルモンの本体といえるプロゲステロンがブタなどの黄体から結晶として抽出されたのは1934年のことで,それはブテナントA.F.J.Butenandt,スロッタK.H.Slotta,アレンW.M.Allen,ハルトマンM.Hartmannらによってそれぞれ独立に行われ,ほぼ同じ時期に合成にも成功した。 プロゲステロンは,後述のように黄体,胎盤から分泌されるが,このホルモンは他のステロイドホルモンの中間産物で,副腎皮質や睾丸でも生合成される。…

【ボンビコール】より

…カイコBombyx moriの性フェロモンで,アルコールであることからその学名にちなんで,ボンビコールと名付けられた。1961年に,ドイツのブテナントA.Butenandtらにより,単離され,化学構造も(E,Z)‐10,12‐ヘキサジエノールと解明された。世界で初めて,化学的に確認されたフェロモンである。…

【ルジチカ】より

…例えば,麝香(じやこう)の香気成分シベトンやムスコンの構造決定を行い,その合成研究の間に炭素の多い環状ケトンを合成する方法を開発し,コレステリンから男性ホルモン〈アンドロステロン〉や,〈テストステロン〉を合成して構造を確定したことなどがある。性ホルモンに関する研究によりブテナントA.F.J.Butenandt(1903‐95)とともに39年ノーベル化学賞を受賞。なおこのとき,ブテナントはナチの圧迫によって受賞を辞退した。…

※「ブテナント,A.F.J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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