ブラロック,A.(読み)ぶらろっく

世界大百科事典(旧版)内のブラロック,A.の言及

【手術】より


[胸部外科の発達]
 第2次大戦前猛威をふるっていた肺結核に対して,栄養,大気,安静という消極的な治療法から人工気胸術,胸郭形成術がくふうされ,1934年にはドイツのE.F.ザウエルブルフが肺葉切除に成功し,今日の胸部外科の基礎が築かれた。
[心臓外科の誕生]
 心臓外科は,1896年W.レーンの損傷を受けた心臓壁の縫合の成功に端を発するが,1945‐46年ブラロックAlfred Blalock(1899‐1964)らによって進められたファロー四徴症に対する鎖骨下動脈,肺動脈間血管吻合(ふんごう)形成術などによって心臓外科は花開き,その後人工心肺装置の発展によって直視下開心術も可能になった。今日では弁置換手術や心筋障害に対するバイパス手術などが日常的な手術として行われるようになり,心臓も外科医を遠ざける領域でなくなった。…

【心臓外科】より

…心臓に外科的処置を加えることは,19世紀末の1896年にドイツのレーンLudwig Mettler Rehn(1849‐1930)が心臓外傷の手術に成功しているが,本格的に心臓疾患を診断し手術しようとする試みは,1939年にアメリカのグロスRobert Gross(1905‐ )が動脈管開存症の手術に成功して以来といえる。45年には大動脈縮窄症の手術にグロス,スウェーデンのクラフォードClarence Crafoord(1899‐ )が成功し,ファロー四徴症の治療として,アメリカのブラロックAlfred Blalock(1899‐1964)が血管吻合(ふんごう)手術を行い好成績をあげるに及んで,心臓外科に対する関心がにわかに高まってきた。以後,今日までの50年間の心臓外科の進歩はめざましいものがあり,諸外国では心臓移植が標準的治療として受け入れられるまでに至った。…

※「ブラロック,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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