世界大百科事典(旧版)内のブル,J.の言及
【変奏曲】より
… 変奏技法の歴史はきわめて古く,おそらくそれは楽器の即興演奏における旋律的変形に始まると思われるが,変奏曲も数ある音楽形式の中で最も長い生命をもつものの一つである。独立した楽曲としてはルネサンス時代の16世紀初頭から,まずリュートや鍵盤楽器のための独奏器楽曲として発展し,スペインのカベソンAntonio de Cabezón(1510ころ‐66),イギリスのW.バード,ブルJohn Bull(1562ころ‐1628),O.ギボンズらのバージナル楽派,イタリアでは初期バロックのフレスコバルディらによって最初の頂点が築かれた。変奏技法はバロック時代においてとりわけ重要な作曲原理となる。…
【ルネサンス音楽】より
…しかし,一方ではとくに鍵盤音楽やリュート曲などを中心に,純粋な器楽の芽生えも1500年ころまでには見受けられるに至っている。 約200年にわたるルネサンス時代は大別してブルゴーニュ楽派の活躍を中心とした初期(1420‐80ころ),フランドル楽派の台頭から通模倣様式の完成に至る中期(1480‐1530),円熟期であるとともにマニエリスム的傾向がみられるようになる後期(1530‐1600ころ)に分けることができる。1400‐20年は中世からルネサンスへの過渡期とも考えられ,フランスを中心に中世理論に基づく最も複雑な音楽が作曲され続けた一方では,J.ダンスタブルによって代表されるイギリス楽派の手によって,より単純で響きのよい作品が生み出されていた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」