ブレーキー,A.(読み)ぶれーきー

世界大百科事典(旧版)内のブレーキー,A.の言及

【映画音楽】より

…またアメリカでもモダン・ジャズをドラマチックなスタイルの中に吸収した《黄金の腕》のE.バーンスタインや,《或る殺人》のデューク・エリントンの〈シンフォニック・ジャズ〉が出現し,さらに50年代末から60年代にかけて,フランス映画の中にもいち早くモダン・ジャズを映画音楽として取り入れ,若々しい現代的ないぶきの表現に成功する。マイルス・デービスの即興演奏による《死刑台のエレベーター》,MJQによる《大運河》,アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズによる《殺られる》等々がそれである。 ヨーロッパ映画の作曲家としては,フェリーニ監督作品(《道》《甘い生活》等々)を中心としたイタリアのN.ロータ(1911‐79),J.ドゥミー監督作品(とくにせりふがすべて歌われた《シェルブールの雨傘》など)を中心にしたフランスのM.ルグラン(1932‐ ),マカロニウェスタン(S.レオーネ監督《荒野の用心棒》《夕陽のガンマン》等々)を中心にしたイタリアのE.モリコーネ,ミカエル・カコヤニス監督作品(《エレクトラ》《その男ゾルバ》)を中心にしたギリシアのミキス・テオドラキスらが輩出するが,やがてハリウッドに吸収されハリウッドの映画音楽を活性化することになる。…

【ジャズ】より


[モダン・ジャズの成熟]
 1950年代後半にいたり,それまで鳴りをひそめていたニューヨークの黒人ジャズが人気を盛り返した。グループ表現という点ではやや無秩序だったバップ・イディオムを,コンボ形式の中で修正し,しかもインプロビゼーションimprovisation(即興演奏,アドリブと同意)を主体としたマイルス・デービス,ソニー・ロリンズ(T.ロリンズ),アート・ブレーキーArt Blakey(1919‐90,本名Abdullah Ibn Buhaina),マックス・ローチら黒人によるモダン・ジャズは,〈ハード・バップhard bop〉と呼ばれ,その力強く直截な表現は,ウェスト・コーストの白人プレーヤーによる,近代音楽との融合に傾いた実験的なジャズを圧倒する勢いをみせた。このころからアフリカでは黒人指導者たちによる独立が相次ぎ,アメリカ国内にあっては白人・黒人の共学問題,バス・ボイコット運動,公民権獲得運動など黒人差別撤廃の動きが大きくなった。…

※「ブレーキー,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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