世界大百科事典(旧版)内のプライス=アンダーソン法の言及
【原子力災害補償】より
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[欧米の制度]
これら日本における原子力保険を含む原子力災害補償制度は,諸外国の制度とほぼ同様である。アメリカでは,1957年原子力法の一部改正が行われ(プライス=アンダーソン法といわれる),原子力事業者に対する賠償措置の強制,賠償義務者の責任額の制限を主たる内容とする損害賠償制度が確立した。アメリカの場合は,原子力損害に関する無過失責任,法的責任の集中の制度を採用していないが,責任保険制度と遡及賦課方式の採用により,実質的には,無過失責任,責任の集中と同じ制度となっている。…
【原子力発電論争】より
…57年にはイギリスのウィンズケール原子炉で事故が起こり,大量のヨウ素131などが環境に放出された。いずれにせよ〈ブルックヘブン報告〉は民間企業の懸念を深めるものであったから,社会に対する責任負担という危険を冒すことなく民間企業を原子力産業に参加させる方式を見つけることが必要であると考えられ,その結果,同年連邦議会はプライスMervin Price上院議員とアンダーソンClinton P.Anderson下院議員の提案になる,原子力損害における企業の責任を限定し,民間の保険業者が負担する額を超える分について政府が補助金を支出することを内容とする法案(プライス=アンダーソン法)を採択した。日本も61年にこれとほぼ同じ考え方の原子力損害賠償法を制定している(原子力災害補償)。…
※「プライス=アンダーソン法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」