世界大百科事典(旧版)内のプロダクション・コードの言及
【映画検閲】より
…ロジャー・マンベル監修《世界映画百科》(1972)によれば,映画検閲の規制機関には,(1)行政機関(国家あるいは地方自治体),(2)宗教団体,(3)映画産業自体と3種類あるが,(1)はとくに政治的,思想的な理由,(2)は神への冒瀆(ぼうとく)や教会への侮辱とかいった純粋に倫理的な理由,そして(1),(2)のような外部からの干渉に対して映画産業が自衛するために,(3)の公的自主規制機関を設けているというのが実情である。日本の〈映倫(映画倫理規程管理委員会)〉もその一つで,日本映画の倫理性を業者自身の手で自主的に保つため,アメリカのプロダクション・コード(映画製作倫理規定)を参考として,日本映画連合会が制定した〈映画倫理規程〉を運営するため,1949年に創立された。映倫は民間団体であるため法的権力はもたず,そのため,55年にアメリカ映画《暴力教室》公開の際にアメリカ系映画会社の映倫非協力が世間の非難を浴びたり,65年,武智鉄二監督《黒い雪》が映倫の審査に合格しながら警視庁の介入を受けたり,同じように〈日活ロマン・ポルノ事件〉で映倫も共犯として警視庁から取調べを受けたりするという事態も起こっている。…
※「プロダクション・コード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」