世界大百科事典(旧版)内のヘイズ・オフィスの言及
【ギャング映画】より
…しかしFBIは34年の前半までに,これらの群小ギャングのほとんどを射殺し,デリンジャーも34年9月22日にシカゴの映画館でクラーク・ゲーブル主演のギャング映画《男の世界》を見て出てきたところを待ち構えていたFBIに撃ち殺された。FBIによる熾烈(しれつ)なギャング狩りが絶頂に達していた1933年,アメリカ映画製作倫理規程(いわゆるプロダクション・コード)の執行部であるヘイズ・オフィスは,FBIのフーバー長官の要請に応じてデリンジャーおよびその他の〈地方ギャング〉を描く(あるいは名前を出したりほのめかしたりする)映画をいっさいつくってはならないことを厳命した。その後マックス・ノセック監督,ローレンス・ティアニー主演の《犯罪王デリンジャー》(1945),ドン・シーゲル監督,ミッキー・ルーニー主演の《殺し屋ネルソン》(1957),ロジャー・コーマン監督,チャールズ・ブロンソン主演の《機関銃ケリー》(1958)などがつくられるが,いずれも低予算のB級映画であった。…
※「ヘイズ・オフィス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」