最新 地学事典 「ヘイマエイ」の解説
ヘイマエイ
Heimaey
アイスランドの南10kmにある火山島。eyは島の意。アイスランド東部火山帯南限に当たるWestman諸島最大の島で,7km(NNE-SSW)×5km。侵食の進んだ複数の火山島を約5,000年前に生じたHelgafell火山(海抜227m;スコリア丘を主峰とし溶岩原を伴う)が接合。その山頂から約1km北東で1973年1月,割れ目噴火(NNE-SSW,最長3.5km)開始,新火山Eldfell(海抜218m;スコリア丘,体積45×106m3)を生成,北東側へ多量の溶岩(0.2km3)を流出して海岸に2.1km2の新陸地をつけ加えた。噴火は6月まで続いた。総噴出量0.27km3。玄武岩質で活動期間中の組成変化がみられ,SiO250.3%(初期)~47.4%(末期)。島の北半に広がる港町は降下スコリア・火山灰に厚く覆われ,東部は溶岩に埋没して約370戸が失われた。島民5,300人の大部分は最初の1日で島外へ避難して犠牲者なし。噴火中,町とアイスランド有数の港を守るため,多数のポンプを使って溶岩に放水,冷却固化して流路を変える作戦が行われた。最大放水量約4,300t/h,155日にわたる総放水量約620万t,この結果,町の大部分は埋没を免れ,港は以前より奥深い入江のより良い港となった。溶岩災害に対する放水作戦は以後,水を得られる場合の最良の方法とされ,日本でも三宅島1983年・伊豆大島1986年の噴火時に実施された。
執筆者:大島 治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

